〈自然農的農業のすすめ〉その8〜大豆の選別〜

湖西道路で比良へ。山頂には雪が見えます。

2016年を迎えました。昨年は激動の一年であった様に思います。

テレビや新聞などの既存のメディアから距離を置いて、自分たちが信じられる情報のみを精査して拾い上げていく事で理解できる事象も多いと思います。けれど日頃から、既存メディアを疑う事が出来ない人に「メディアを疑え」と繰り返しても何の意味もないのでは?と感じます。明日は市長選。ひげ店主も、もちろん選挙には行きますが、残念ながら私たちには国家予算の使い方をとやかく言う権利はあっても行使する権限は何一つ与えられていません。実際は権力を持っていない、と感じています。
希望はこの寒空、外で走り回って遊ぶ子供達にあるのではないでしょうか。大人は自分の事ばかりしていないで子供の視線からもう一度世界を見るべきだと思います。

さてさて、前置きが長くなりました。今回は畑での作業ではありません。

滋賀県の方は「ヒラノハナレ」をご存知でしょうか?
湖西、比良山の麓にログハウスや西欧風の洒落た建物が多く建つ一角があります。ギャラリーや工房、雑貨店、アウトドアショップ、カフェなどなど、紹介したいお店が多くあるエリアです。その比良エリアの奥に加藤さんのご自宅兼、奥様の営むサロン「ヒラノハナレ」があります。現在は育児中でサロンはお休みされておられ、その間に旦那さまが「はなれ」をセルフビルドされています。田畑だけでも忙しそうなのにセルフビルドでサロンまで建てるなんてなかなか出来る事ではありません!

今回はそんな加藤さんのご自宅で作業です。

加藤さんがセルフビルドで建てている「ハナレ」
春までには完成させたいとの事


昨年末、最後のお手伝いは脱穀機を使った大豆、小豆の脱穀でした。
今年の最初のお手伝いは脱穀された大豆をさらに綺麗に分けていく「選別」。


大きな袋に入った大豆、この中には前回の脱穀機で脱穀できずに莢に豆が残った状態のものも多く含まれます。きっと脱穀機と唐箕(とうみ)のお手伝いで慣れないひげ店主が頑張ったので精度を下げてしまったと思われます…。脱穀機にしろ唐箕にしろ上手い人が使えばこの「選別」の工程はそんなに辛くないかもしれません。それが相当辛い感じで莢に豆が残っているのです。マンガ肉の様な棍棒で莢を叩いて大豆を出しやすくします。そして空になった莢を分別していきます。すると地面に大豆だけが残っていくのです。その大豆を大きなざるに貯めていく。ひたすらこの繰り返し。

救いは加藤さんが火を起こしてくれた事です。地面に座って作業するので腰が冷えて、なおかつ同じ姿勢なのでぎっくり腰になるのでは?という心配が火の存在で解消されます。焚き火は最高の贅沢です。

私が選別している間、加藤さんはゆとりでも取り扱いさせていただく「イセヒカリ」の籾摺り。




こうして栽培、収穫された農作物は多くの手間をかけて消費者の元に届くのです。お手伝いをすると農家さんに感謝するようになります。

そんなこんなでお昼になりました。
今回は加藤家におじゃましてお弁当をいただきます。
するとなんと!加藤さんの奥様がお味噌汁を作ってくれました。感謝。
更に、噂には聞いていましたが加藤さん自ら焙煎した珈琲のサービスまで!!
深煎り珈琲と、奥様お手製の米粉とひよこ豆粉のケーキで至福の時間を過ごしました。

また寒空で作業の続きです。しかし人間の忍耐力はすてたものではありません。だんだん慣れてくるのか、作業に集中できるようになります。しかし、どれだけやってもスタート時とあまり変わらないざるの中の豆の量。これを全て脱穀、選別更にもう一度選別と繰り返すなんて、本当に頭の下がる作業量です。私たち消費者は農家さんのそうした努力に感謝するべきだと思います。

さて、告知です。

加藤さん主宰のねっこ自然農園さんが味噌、醤油のワークショップをご自宅の「ヒラノハナレ」で複数回に渡り行われます。

詳細は▽こちら
ゆとり店主も顔を出そうと思っています。特に醤油!気になりますね〜。
ひげ店主が頑張って選別した大豆『水くぐり』も使われると思います。
一粒一粒選別された大切な大豆を使ってのワークショップ、是非ご参加ください。