〈自然農的農業のすすめ〉 その1〜稲刈り〜


ゴマを初めて見ました。四角っぽい形が印象的


 自然農的に農に取り組む加藤大輔さんにお話聞いているうちに、田と畑が無性に見たくなり先週勢いで見に行ったところ、ロケーションが最高で、いわゆるガチガチの自然農ではなく、ある時は機械を使い、ある時は耕しながらその場にあった農をされている姿を見て、手伝う事で農に対して理解を深めていこうと出来るだけ毎週お手伝いする決心を固めました。

 今週は初のお手伝い お米の収穫を手伝って来ました。
加藤さんが育てているお米はイセヒカリと陸羽(りくう)132号です。

  朝10時に田んぼに集合。 まずはバインダーという機械が入れる様に田んぼの一番端と入り口近辺の稲を手で刈っていき、藁で結束していきます。コツがあり、片手で交差させてクルクルと二周ほど 稲を回し最後にねじれている藁を稲を巻いている藁に抜けない様に差し込んで行く感じで、慣れると案外楽しい作業です。稲を鎌で刈っていく作業は中腰なのでかなり腰に負担かかります。バインダーとは稲を刈り、干す際に必要な稲の量が刈れたら自動的に麻縄で稲を結束していく手押しのエンジン付き機械です。正直、バインダーを使わないと加藤さん一人の作業としてはだいぶ大変だと思います。自然農は機械使うの?という方もおられるでしょうが、自然農では慣行農法より遅く植えて遅く収穫する為、機械を購入しなくても使ってない農家さんから借りることは案外簡単だそうで、賢い選択だと思いました。


バインダーで結束した稲。左右の田んぼは刈り取り終わり天日で干しています



 バインダーのお陰で昼までには4畝ほどの田んぼの稲は全て刈り取られ結束された状態になりました。そこからは稲木に結束した稲を逆さに吊るして乾燥させる作業です。大体一週間から十日ほど天日に当てて乾燥させるそうです。雨が降ってもそのままにしておくと聞いてびっくりしました。僕たちがお手伝いする前に収穫された稲が既に稲木に干されているのですが、竹を上手く使って作成されていました。僕たちは三本足の支柱にフックの付いた金属製の足と長い木材を使って稲木を作り、稲を干していきます。ここにもコツがあり、横に走っている木材に、結束された稲を二つに分けて干していくと思っていたのですが、正確には1:2:1くらいの三つに分けて交互に干していきます。こうすると滑りにくいそうです。


 二つ目の稲木に稲が干せたタイミングでお昼になったのでそれぞれ奥様が作ったお弁当タイムです。天気も良く、風が心地よい山の斜面で食べるお弁当は最高で、体も適度に動かしているのでいつも店番しながら食べているお弁当より美味しく感じられました。一応ゆとり店主として珈琲くらいは淹れないと、と用意をするのですが、薬缶を忘れたのでコッフェルでお湯を沸かしたり、シンプルなストーブを忘れて灯油が入ったMSRのストーブを風と戦いながらプレヒートさせてみたりとだいぶゆとりな感じのまったり感でした。


 休憩を終えて三つ目の稲木を作り干していきます。もう手慣れたもでの分担して作業できたので結構早く終わりました。四つ目の稲木に干せれば今日の作業は終了です。しかし金属の支柱はもう使い切っていたので竹や木材を上手に結びながら稲木を作っていきます。加藤さんは結構手が早いので、少し目を離しているうちにさらっと最後の稲木を立てていました。流石です。 作業が終了したのは14:30を少し回った頃でした。加藤さん曰く、一人でこの作業をすると大体朝から始めて17時位まではかかると仰っていました。


加藤さんの畑の風景。たまに通る湖西線や貨物列車ものどかな気分になります


 本日の作業が終了したので加藤さんに少し話を聞かせてもらいました。 陸羽132号という品種は宮沢賢治が農の普及活動を行っていた際に推奨していた品種で、原種に近いから育てていると仰られていたのが印象的です。モチモチとか甘いとか消費者のニーズにあわせて品種改良されてきた米より原種に近い安心な品種だそうです。イセヒカリはコシヒカリの突然変異種で、伊勢神宮の御神米だそうです。なんだかありがたい感じがしますね。他にも赤米、黒米、緑米も少量育てておられますが自然農仲間に分けていただいたりしているので品種名はわからないと仰られていました。他にも畑を見せてもらい、耕起、不耕起は育てる植物で分けていて、今もなお実験中との事でした。根菜だから耕すとかそういう感じではないみたいです。
畑は多くの種類の野菜が植えてありました。自然農では当然農薬の類を使わないので、カブや大豆の葉は虫食いが目立ちます。消費する私たちはスーパー等で綺麗な形の整った野菜を見慣れているかもしれませんが、もし本当に無農薬にこだわるなら葉は少しくらい食べられていてもそれを無農薬の証であり貴重品である、と認識する必要があると思いました。


古代米  左から 赤米 黒米 緑米


 ゆとりの目標のひとつは無農薬、有機(または無肥料)栽培の野菜が貴重品であり値段が高くても仕方がないという風潮を変えていく事。まだ小さな取り組みですが今後も加藤さんの田んぼと畑を通して農薬を使わないで育てる大切さを訴えられればと思います。  


一緒に美味しい空気を味わいながら自然農的な農を手伝ってみませんか?
特に謝礼やお弁当などはありませんが、農を通じて輪を広げていきましょう。
毎週水曜日か木曜日を中心にお手伝いに行こうと思います。
加藤さんは他の場所にも田畑があるので毎回同じ田畑にいるわけではありません。
メールをいただければ集合場所などをお伝えします。
次回は畑の間引きなどお手伝い予定。
再来週はお待ちかね古代米を手刈りします。